何気ない日々を積み重ねて。お弁当ケータリング・暮らしかた研究家 うえはらけいこさん
- 音彩社

- 2021年3月20日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年9月15日
お弁当に対して”特別なもの”という印象がある。小さいころお弁当を食べられるは、遠足や運動会といった行事か、年に数回の給食がないときだったから。
だからなのか、大人になった今でもお弁当を持って出社する日は何だかワクワクする。いつものご飯が2割増して美味しくなるような気がする。
誰かが心を込めて作ってくれたお弁当なら尚更。お弁当の蓋を開けたとき、色とりどりのおかずと、つやつやのご飯が目に飛び込んできたら、もう自分だけの宝箱を開けたような気持ちで胸いっぱいになる。

お弁当のケータリング活動を始めた、うえはらけいこさん。
彼女の作るお弁当は、まさに宝箱そのもの。彩り豊かなおかずがこれでもか!と入っていて、味がじっくりと染みたおかずを一つ口に運ぶと、お箸を動かす手がもう止まらない。少し懐かしい、ほっこりとする優しい味付けが食欲をそそる。
幸せなお弁当の時間を届けてくれる彼女は『暮らしかた研究家』という肩書きを持っている。日々をより楽しく過ごすために丁寧に生活を積み重ねている、いわば暮らしのスペシャリストでもある。
そんな彼女がお弁当のケータリングを始めた経緯って何なんだろう。お弁当を作り始めた頃の話、大切にしていること、家族のこと。気になるお話を伺うことにした。
お弁当のはじまり
2013年にご結婚されたけいこさんは、以来7年間(!)ほぼ毎日、お弁当を作っている。その記録として、2016年3月からinstagramへお弁当の写真投稿をスタート。ちなみに、当初写真を投稿し始めたのは、ご主人だったんだとか。
うえはらけいこさん (以下、けいこさん)
「今まで作ったものを振り返ることができて『自分はこれだけ頑張ってきた』って、モチベーションになっています。
お弁当を作るという行為そのものも好きですが、限られた時間でも楽に、楽しく過ごすためでもあるんです。
家に一日中居る時でも作ります。朝にお弁当を作っておけば昼が楽ですし、出来立てホカホカとは違った美味しさも楽しめる。天気がよければ、近所の公園やベランダで食べることもできる。
子供たちがワッと喜んでくれたり、ほめてもらえることも嬉しいんです」

「ただ、結婚当初はあまり料理が得意じゃなくって。料理をすることがすごく不安だったんです。
そんなとき、夫がワタナベマキさんの”わが家のおいしい常備菜”という本をプレゼントしてくれて。そのレシピを参考に、何度も料理を作りました。そうしたら、料理をすることが楽しくてハマってしまって。
お弁当は自分の作品を作っているような感覚です。味はもちろんだけど、色もそうで。『ここに赤があったら可愛いな』とか『今日はとことん茶色にしちゃおう』とか。
今までは、資格取得のようなインプットする行為が中心だったけれど、私にとってお弁当は“アウトプットができるもの”でした。
だからこそ、面白いと感じているのかもしれないです。それと、夫には『お弁当って、無くなるからいいやん。無くなるから、また作れるし』と言われたこともあって、なんだか良いなと思ってます」
最初のスタートは、好きという理由ではなかったけれど、続けていくうちに惹かれていくこともある。それが彼女にとって料理であり、お弁当だった。
毎日を少しでも「楽しく」「楽に」過ごすための工夫でありながら、家族に喜んでもらえるもの。日々増えていくレパートリーは、料理に対する自信へ繋がっていく。
彼女のお弁当は、日々の積み重ねでアップデートされていく、アート作品のようなものなのかもしれない。
(第2話へつづく)


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