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感謝の気持ちが周りに伝播していく。言葉が繋いでいく、自由な選択。

  • 執筆者の写真: 音彩社
    音彩社
  • 9月15日
  • 読了時間: 6分



第1話では、あかりちゃんの幼少期から大学生になるまでのお話をきかせてもらった。


ここからの第2話では、あかりちゃんが日々大切にしているのかを探っていくことにする。


どうしたら幸せな気持ちになってもらえるのか

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あかりちゃんが、人と関わる上で大切にしていることは何なのだろう。


あかりちゃんの素敵なところ。その一つは『自分は周りに助けてもらっている』という意識。


私がやって”あげた”という自意識は、どんな場面でも少なからず生まれてしまうもの。彼女には、そんな意識があるどころか、周りに対する感謝の気持ちを溢れんばかりに抱えている。


どんな些細なことでも「ありがとうー!」と、元気いっぱいの満面の笑顔で伝えてくれたとき。


「そんな大したことしてないのに、むしろこちらこそありがとう!」という気持ちになってしまう人が、たくさんいるのではないだろうか。


「自分の心で決めているのは、相手に対して捨て台詞を吐かないこと。もし何か相手にあったとき、一生後悔するってわかっているから。


相手のことを受け入れられない瞬間があったとしても、まずは認める。何かしてもらった時に『ありがとう』って一言を、発することができるかどうか。


他にも、自分の機嫌は自分でとって、毎日楽しい気持ちでいること。元気よく挨拶しようとか。相手を名前で呼ぶこともそう。


全部、自分が出来る一歩を踏み込んでる。そういう自分でありたいって常々思っているのもあるけど。そう思えるのは、誰かにしてもらって単純に嬉しかったからだと思う」


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相手に対してできることを考え、常に一歩を踏み込む。


自分に対してストイックに向きあい続けているように感じるけれど、それ自体が彼女のポリシーなのだと感じる。


誰かにしてもらった恩を、他の誰かにも返していく。その積み重ねで、いまの彼女がいる。


「自分が楽しくないと、周りも楽しくない。自分に余裕がないと、周りを幸せにできないから。


ある意味イコールだなって。自分次第だからこそ、なんとかしたいって思う。今まで、幸せな気持ちが伝染していくことを体感したから、そう思える」


人からされて嬉しかった出来事は、正直何も忘れたくないと思うもの。それでも時間が経つと、自分が発した言葉と出来事は、細部まで覚えることは難しい。


あかりちゃんは、人から何かをしてもらったその瞬間を身体に染み込ませるように吸収し、発散している。


意識的なこと、無意識的なことがあるのだろうけど、持ちつ持たれつの関係を他者と築き上げていくことは、簡単にできることではない。


そして、相手の嫌な面ばかりを覚えているわけではないということは、相手にとっても、自分自身にとっても重荷にならない。彼女のそういうところを尊敬している。



理想とのギャップの感じながらも、見つけた最適解

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彼女が勤めている出版社では、大学生の頃からアルバイトとして働いていたそう。


就職を決めたのは、自分らしく働けるところを模索した結果だったのだとか。


「中学校の先生になりたかったけど、高校時代の部活動で辛かった経験があるから、先生になろうとは思えなくて。


けど、教育関係に勤めていたら、間接的に先生の力になれるかもって。


ミュージカルをしていたNGO団体では、多様性を認め合って共に生きるための”共育”を、出版社では偏差値を向上させるための”教育”を。


どちらの側面も知ることができたら、相乗効果で子供たちに良い影響を与えることができるかなと思って」


教師として実現したかったことは「子供たちがのびのびと自分らしく過ごせる環境で、お互いに良い影響を与えながら、新しい言語を学んでもらいたい」だった。


出版社営業としての立場から理想を叶えようと取り組んでいたものの、現実とのずれを感じた様子。


「少しでも授業の多様性を広げられたら良いと思ってる。でも、全員がそう思っているわけではないし、会社で扱っている教科書を使わないほうが良いことも勿論ある。


自分の理想と仕事の理想って違うのかもって、ギャップに気づいた時は苦しかったな」


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苦しい時期を乗り越えることができたのは、人との縁を感じる瞬間があったからだった。


「先生が教材を気に入っても、学校の会議で採用されなかったら、使ってもらえないこともあって。


でも、すぐ結果に繋がらなくても、2・3年後に実ることもあるのが今の仕事。


取引先の学校や、書店を訪問した時に『あかりさん来たんですね』って、自分の存在を覚えてもらえているのが嬉しくて。


私は、お客様に喜んでもらえればそれで良いと思ってる。元気をもらえるって言ってもらえると、すごく嬉しいから。


私の苦労を理解した上で、いいことも悪いことも言ってくれる人が多い。それに、一生懸命であることを当たり前と思っていないお客様が多いことはありがたいなって。


何か一つの大きな出来事ではなくて、日々の積み重ねで安心感に繋がっているのかな」


自分のためではなく、他人に影響を与えるものを購入する時、決断のハードルは高い。


それでも、彼女から購入したいと思うのは、人のためを想って行動する誠実さと謙虚さが、相手にも伝わっているからではないだろうか。


「どうすれば人を幸せにすることができるか」を自問し、行動をし続けてきた彼女だからこそ、見出した答えのように感じる。

 


自分の選択に自信を持って。また一歩、ワクワクする方向へ。

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大学3年生から昨年まで、社会人になってからもミュージカルを企画するNPO団体での活動を続けていたあかりちゃん。 


"こうすればうまくいく "という型に嵌める前に、新しいことから着想を得て、考える時間を設けたい。


そんな風に考えて、いまはあえて離れる期間を作ることにした。


「外に視野を広げるのって大事。今の環境に落ち込まないように。素敵な人は世の中にいっぱいいるから」


これまで出会ってきた人たちから培われてきたものだと思うが、彼女が発する言葉は、出会った頃から常に前向きなものばかりだ。


「言葉選びって大事だなと思ってて。


前に立つ人の言葉で、人が元気になる様子を見てきたからこそ、自分の発する言葉を調整できてたんだよね。


本当に出会った人に恵まれてる。自分の言葉は出会った人たちに作り上げてもらったと思ってるから。パワーをとられるのも人だけど、逆にもらうのも人だもんね


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現状に落ち込むことなく、良い面を見出しながら、軽やかな足取りで前に進んでいく彼女。今後、何かしてみたいことはあるんだろうか。


「海外のボランティアには今も行きたいと思ってる。人と出会ったり、関係性やストーリーがあれば協力したいなって。


場所のこだわりはないから、結局自分はすべて人との出会いに紐づくんだと思う。


世の中グレーなことが沢山あるのに、自分の中で "こうすべき "って白黒はっきりさせてしまうことが多い。これから年齢を重ねるといろんなことに制約が伴うから、焦りもあるけれど。


具体的に何かをしたいっていうより、素敵な人たちがいる空間にいたい。何か選択したことで、そこから見えてくるものもあるよね。


きっとどれも間違いじゃなくて、選択の連続で今の自分があるから、まずはそれを選んできたきた自分を褒めたい、良くも悪くも。みんなそう!」


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あかりちゃんには、選べるものの多さがあると感じる。様々な角度から新しい生き方を柔軟に取り入れられるのは、彼女自身が磨いてきた強みだ。


常に正解を辿る必要はない。

小休止しつつ、また一歩踏み出していけば良い。


そんなことを彼女から教えてもらった気がする。数年後には、お互い何をしているんだろう。これからを楽しみに、私たちはまた前に進んでいく。

 



(おわり)


 
 
 

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